【アスペルガーさん向け】思ったことをすぐ口に出して相手を傷つけてしまう人へ【対策法2つ】
思ったことをすぐ口にして周りの人を
怒らせてしまうことがよくある
今回はこんな悩みを抱えている人向けに記事をお送りします。
相手を傷つけるつもりはなかったのに自分の発言のせいで相手が不機嫌になったり嫌われてしまうことってありませんか?
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自分ではよかれと思って言ったことでも相手が怒ってしまった…
自分の発言が悪かったことはわかるけれど何故そこまで怒るのかわからない、何と言うのが正しかったんだろう?
と、自分の発言が悪かったことは感じていても、原因や正しい対処がわからない人もいることでしょう。
特にアスペルガーの人の場合、思ったことた見たままをそのまま口に出し、本人にそのつもりがなくても相手を傷つけてしまうことが多くなります。発言した当の本人は自分の発言の何がいけなかったのか、どう言えばよかったのかがいまいちわかりません。
ですが、今後うかつな発言で同じ失敗を繰り返さないためには原因と対処法を知ることが必要です。
そこで今回は、思ったことをすぐ口に出して相手を傷つけてしまいがちな人向けに以下の内容で記事をお送りしたいと思います。
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・思ったことをすぐ口に出してしまう原因
・対策2つ
今回紹介する対策を使えば、自分の発言でどんなところが悪かったのかを知ることができるのに加え、実際にどんな振る舞いが理想的なのかがわかるので今後のコミュニケーションでのトラブルが減ります。
普段から思ったことをすぐ口に出してトラブルになりがちな人、あるいはこの話に興味のある方は続きをご覧ください。
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【原因】なぜ思ったことをすぐ口に出してしまうのか
思ったことを口に出して相手を傷つけてしまう人にはいろいろなタイプがいますが、その中でもアスペルガーの人の場合を取り上げたいと思います。もちろん実際にアスペルガーと診断されていない人でも思い当たる部分もあるかもしれません。何らかの参考になると思うのでご一読ください。
アスペルガーの場合、他人への関心が薄く、想像力が乏しいという特性があります。そのため、
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・相手の感情を想像すること
・自分の発言で相手がどう思うのか想像すること
が苦手です。
その結果、相手に配慮した言い回し(言葉を濁したりお世辞を言ってあげる等)ができなかったり、感じたことや見たままをそのまま伝えたり、相手の気持ちを考えないような失礼な発言をしてしまいます。
自分の発言で相手がどう思うのか、ということを想像できないので思ったことをすぐ口に出し、その結果他人を傷つけてしまいます。
【対策】
思ったことをすぐ口に出して相手を傷つけてしまう…という人にオススメの対策は以下の2つです。
- 行動を振り返る
- ハウツー本で研究する
以下、それぞれ詳細説明していきます。
行動を振り返る
内容
思ったことをすぐ口に出して、コミュニケーションのトラブルを起こしがちな人は応用行動分析を使うことで今後の人間関係において失敗を繰り返さないようにすることができます。
発達障害、特にアスペルガーの場合、自分を客観的に見ることが苦手なため、自分の考えや行動や発言が正しいと思い込んでしまいがちです。
自分の言っていることがまさか相手を傷つけるなんて、思いもよりません。相手が怒って初めて自分の発言に問題があったと気づくこともあります。
客観的に見て自分の行動や発言が間違っていることに気づかないので同じ失敗を繰り返す―しょっちゅう自分の発言で誰かを傷つける―なんて事態に陥ってしまうのです。
このように自分を客観視できない人には応用行動分析で自分の過去の行動をおさらいし、行動パターンを修正していく方法が有効です。
方法
行動振り返りの具体的な方法は次の通りです。
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・実際のできごと
・トラブルが発生する前の状況(どんな場面だったのか)
・結果(そのときどう対応したか)
を記録し、トラブルへの対処法を変えていく、というものです。
迂闊な発言で他人を傷つけてしまいがちな人なら
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・実際に自分が何を言ったか、相手はどう反応したか、当時その場はどんな雰囲気だったか
・自分と相手との関係は?トラブルになる前の相手はどのような状態だったか(和やか?余裕なくしてる?忙しそう?)、自分の心理状態は?何を思って発言したのか。
・相手の反応を受けて自分はどんな態度をとったか
といったことを記録してみましょう。
少々わかりにくいかもしれないので具体例を出しますね。
(例)あまり話したことのない同僚が「最近太ったかも」と発言。それに対し、あなたは「確かにだいぶ太りましたね。運動したほうがいいんじゃないですか?」とアドバイスしたら相手は不愉快そうな表情をした。後日、この時の発言のことで相手が内心怒っていることを噂で知った
記録するとしたら次のようになります。
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実際のできごと
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・同僚が「最近太ったかも」と発言した
トラブル発生前の状況
・同僚が周り何人かとダイエットについて軽い口調で話していた
・自分とその同僚は普段あまり会話しない
・相手のためになると思って本当のことを言った、運動を勧めたのは親切のつもりだった
自分はどう対応したか -
・自分「確かにだいぶ太りましたね。運動したほうがいいんじゃないですか?」とアドバイス。
・相手は不愉快そうな表情をした
上記のように記録し、まずは「どう対応したか」の部分を修正するようにしましょう。トラブルになってしまったのは自分のどんな行動・発言が原因だったのかを記録し、分析します。これが応用行動分析を使った行動振り返り法です。
メリット
応用行動分析を使った方法には次のようなメリットがあります。
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記録することで客観的に自分の行動や発言のクセ、不足部分を認識できる
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どんな行動や発言をすればトラブルになるのかという情報を蓄積することができる
↓
その情報を元に今度のコミュニケーションで活かすことができる
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コミュニケーションでのトラブルが減る
といったメリットがあります。
自分の発言でうっかり誰かを傷つけてしまう、という人はぜひこの応用行動分析を使って自分の行動を振り返ってみてください。
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★トラブルが起きたら自分の行動を記録して行動を修正していこう!
ハウツー本で研究
自分のポロッと出した発言で相手を傷つけてしまう人はハウツー本でコミュニケーションの方法を研究するという手もあります。
ハウツー本のように具体的なマニュアルは、アスペルガーの人に特にオススメです。なぜならアスペルガーの場合、想像することが苦手だからです。
想像力が乏しいアスペルガーにとってはただ「人の気持ちを考えて発言しよう」と言われても、いまいちピンと来ません
認知が歪んでいる場合があるので、自分なりに考えた末に間違ったコミュニケーションをしてしまうこともあります。自分では問題ないだろう、と思って口にした言葉が相手を傷つけたり怒らせてしまうこともあるのです。
ですから、アスペルガーで自分の発言で誰かを傷つけることがよくある人は自分なりに考えるよりもハウツー本のような具体的なマニュアルでコミュニケーションの方法を学ぶのがオススメというわけです。
書店に行けばコミュニケーション法の本が大量に見つかります。その中で自分に合うと思ったものを読んで、実際のコミュニケーションに役立ててみてください。
ただし注意点が一つあります。それは
- 実際のコミュニケーションには例外がある
ということです。本を読んである程度は現実の人間関係に応用できますが、それでも例外が起こってしまうのが現実です。
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例えば、ある本にこのように書かれていました。
「失礼なことをされたらあえて丁寧で礼儀正しい態度をとりましょう。そうすると相手は自分のマナーの悪さを恥じて、あなたへの態度を柔らかくします」
確かに、この本の内容は事実かもしれません。ですが、例外も考えられます。こちらがいくら丁寧な態度をしても失礼な態度をなおそうとしない人だって存在します。むしろこちらが丁寧な態度をとることで「自分より下だ」と思い込んで余計図に乗ってしまうかもしれません。
このように現実は本に書いてある通りうまく行くとは限らないものです。
気をつけてほしいのは、現実でのコミュニケーションが本の内容と違っていたからといってパニックにならないように日頃から心の準備をしてほしい、ということです。
ハウツー本をそっくりそのまま鵜呑みにするのではなく、世渡り術の一種だと考え、「例外もあり得る」ということを頭に入れながら読むようにしてください。
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★ハウツー本で具体的にコミュニケーションを研究してみよう!
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【注意】ただし、本を鵜呑みにしない。現実は本の内容どおりにはいかないこともある。「例外もある」ということを覚えておこう
まとめ
今回は思ったことをすぐ口に出して相手を傷つけてしまう…という人に向けて2つの対策法を紹介しました。
- 行動を振り返る
- ハウツー本で研究する
今回の記事で皆さんのコミュニケーションが良い方向に変わっていただけたら幸いです。
この記事は以下の情報を参考にして執筆しました。
『アスペルガー症候群の「そうだったんだ!」がわかる本』
『ちょっとしたことでうまくいく発達障害の人が上手に暮らすための本』