TSUTAのブログ

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【話し合いで使える!】自分の話を受け入れてほしいならまず相手の話を聞くのが得策です

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会議などで相手が自分と違う意見かもしれない場合、皆さんはどんな手段をとっていますか?

 

相手を言い負かして、こちらの意見をゴリ押ししてしまうと気まずくなったり相手は不満を抱いてしまうかもしれませんから、なるべく穏便な手段でお互いに歩み寄った結論を出したいものですよね。

 

相手に自分の意見を受け入れてもらいたいのなら

  • まず先に相手に意見を言ってもらう

という方法が得策です。

 

先に相手に話をしてもらうことで

  • ・こちらの意見を受け入れてもらいやすくなる

だけでなく、

  • ・揉め事を回避できる

というメリットもあります。

 

いつも自分の意見を聞いてもらえない、却下されがちな人、あるいはこの話に興味のある人はこの先をご覧ください

 

「目次」クリックで開閉します

 

人の心には許容量がある

 

話し合いにおいて、こちらの意見を受け入れてもらうためには相手の心の中の許容量に空きを作ってあげる必要があります。

 

人間の心にはそれぞれ許容量があります。

梅田悟司氏の『誤解されない話し方』ではこの許容量のことを「物理的キャパシティ」「心理的キャパシティ」と呼んでおり、その限界を超えてしまうと、情報を許容できなくなってしまう、と説明しています。

それぞれのキャパシティについて深堀りします。 

物理的キャパシティ

物理的キャパシティとはどれくらい情報を心の中に受け入れることができるのか、ということを意味する言葉です。

 

  • 通常、何か意見がある場合、その人は「自分の考え」や「言いたいこと」が既に心の中に存在している状態です。

 

このような状態の時にこちらが意見を言ったところで相手は受け入れることができません。

なぜなら、心の中には既に「自分の考え」「言いたいこと」といった情報が詰め込まれているのに、そこから更に「自分以外の誰かの意見」という情報を追加しようとすれば、許容量、すなわち物理的キャパシティを超えてしまうからです。

 

物理的キャパシティの限界を超えてしまうと相手に負荷がかかり、こちらの情報を取り入れる、つまりこちらの意見を聞き入れる余裕がなくなってしまいます。

 

一方、もしも先に相手に話をしてもらった場合はこちらの意見を聞いてもらえる可能性はグッと上がります。

先に相手に話をさせることで、相手の心から「考え」や「言いたいこと」といった情報が外に出ていき、相手の心、物理的キャパシティに空きが生じるからです。

 

旅行用のスーツケースを想像してみてください。

荷物でスーツケースの中身があまり空いていないと、お土産を買っても中に入れることはできませんよね。

 

物理的キャパシティと情報も同じです。

 

スーツケースが物理的キャパシティで、荷物やお土産を情報だと考えてみてください。

  • スーツケース(物理的キャパシティ)の中にはすでに荷物(その人の考えや言いたいこと)が詰まっている

    そのスーツケースにさらにお土産(こちらの意見)を入れようとしても空きがあまり無いので入り切らない

というわけです。

 

ですが、スーツケース(物理的キャパシティ)の中からいらない荷物を処分したらどうでしょう。スーツケース(物理的キャパシティ)の中に新たにお土産(こちらの意見)を入れることができるようになります。

このスーツケースの例の、いらない荷物を処分する、というのが「先に相手に話をさせて聞いてあげること」になります。

 

このように、自分の意見を主張する前に相手の意見を聞くことができれば、相手の物理的キャパシティに空きを作ることになり、結果として自分の意見を受け入れてもらえることになります。

 

ポイント
  • 先に相手の意見を聞くことで相手の物理的キャパシティに空きができる
    →相手はこちらの意見を受け入れる余裕ができる

 

心理的キャパシティ

心理的キャパシティとはどれくらい自分以外の意見を聞く我慢ができるのか、ということを意味する言葉です。

 

通常、何か意見がある場合、その人は「自分の意見を言いたい、話したい」という欲求がある状態です。話をしたくてウズウズしています。

 

このような状態の時にこちらが先に意見を言ってしまうと、「話したい」という欲求が満たされない上に他人の話を聞かなければならないという我慢を相手側に強制しているようなものです。このような我慢を強いられた相手はストレスを溜めてしまいます。

ストレスが溜まった場合、相手はこちらの意見に聞く耳を持たないか、あるいは歩み寄ろうとせず揉め事に発展してしまう恐れもあります。

 

一方で、相手の意見を先に話してもらう場合であれば、すぐに「話したい」欲求を満たしてあげることができるので相手はストレスを感じません。

相手に気持ちの余裕ができるので揉め事を回避できます。

 

こちらが先に話した後で相手に話をさせるのもいいのではないか?相手の方も「意見を言う」という目的は達成できているのだし。

…と思うかもしれません。

 

ですが、後で話してもらうよりも先に話してもらうほうが相手は「話したい」という欲求を満たすことができるので我慢をせずに済み、こちらの意見を受け入れる精神的余裕を持つことができます。

また、人間は自分の話を聞いてくれた人の意見は素直に聞く耳を持つそうです。

さらに、先に話をしてもらうことで、自分の意見を通すことよりも、相手の話を聞くことを優先していますよとアピールができます。

 

  • ・相手に我慢させない
    ・素直に聞いてもらえる
    ・主張することより聞くことを優先しているとアピールできる

という点で考えると、先に相手の意見を話してもらうほうがメリットがあるのです。

 

ポイント
  • 先に相手の意見を聞くことで相手の心理的キャパシティに空きができる
    →相手はストレスが溜まらないので揉め事を回避できる

 

まとめ

 

相手に意見を受け入れてもらうためには、

  • まずは相手に意見を言ってもらうこと

が得策!

 

先に相手の話を聞くことで、相手の

  • 物理的キャパシティ(受け入れる情報量)

    心理的キャパシティ(我慢の程度)

に空きができ、その結果こちらの意見を受け入れてもらいやすくなる、ということを今回お伝えしました。

 

話し合いをする上で意見が対立してしまうことはよくあります。

相手と意見が違う場合、理論武装して論破するのも一つの手ですが、それよりも今回紹介したような方法を使ったほうが揉め事もなく、互いに利益になるような結論を導き出すことができるかと思います。

 

今後、会議など話し合いの場に参加する方はぜひ今回の方法をお試しください。

 

この記事は以下の情報を参考にして執筆しました。
『誤解されない話し方』