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目標達成したのになんだかむなしい…喪失感や虚無感を消す簡単な方法2つ

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目標に向かってがむしゃらに
頑張ってきたのに、
いざ達成してみるとなんだか
むなしさでいっぱい…

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せっかく目標達成したのに
情熱が冷めてしまいました…

 

頑張って目標達成まで突き進んでも、実際に達成してしまうと燃え尽きてしまうと言いますか、電池切れのようになって喪失感が出てしまったこと、私にもあります。

 

今回は、このように目標達成できたのに喜びよりもむなしさや喪失感を抱いてしまうという人向けに記事をお送りしたいと思います。

 

この記事の内容は次の通りです。

記事の内容
  •  目標達成後にむなしくなってしまう理由2つ

     目標達成後にむなしくならないための対処2つ

 

目標達成したらむなしくなった人、あるいはこの話に興味のある人はこの先をご覧ください

 

「目次」クリックで開閉します

 

なぜ目標達成後にむなしくなってしまうのか?

 

目標達成後にむなしくなったり喪失感を抱いてしまうのは主に次の2つが原因です。

  1. 目標達成について過大評価しているから
  2. 目標達成後の幸福感に慣れてしまうから

つまり、この2つをどうにかできれば目標達成後にむなしさを感じることもなくなる、というわけです。

 

以下、詳細を紹介していきます。

「目標達成」を過大評価していないか?

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目標達成を過大評価する→むなしさ、喪失感へ

 

ノーベル経済学賞を受賞した、心理学者ダニエル・カーネマンは、以下のことを「フォーカシング・イリュージョン」と呼び、

  • 人生における特定の要素だけに意識を集中させると、その要素が人生に与える影響を多く見積もりすぎてしまう

と説明しました。

 

このフォーカシング・イリュージョンを目標達成に当てはめてみます。


目標達成を目指している間は、「目標達成」という特定の要素に意識を集中させている状態です。そのため、フォーカシング・イリュージョンの原則に従うなら、目標達成が人生に与える影響を多く見積もりすぎているということになります。


目標達成後にむなしさを感じてしまうタイプの人は、おそらく心のどこかで

  • 「この目標を達成したら素晴らしい結果を手にすることができる」「人生がよくなる」

といったように目標達成した後のことを過大評価していたのかもしれません。

 

このように、目標達成の価値を高く見積もりすぎていると、実際に達成した時に直面する現実との間に大きなギャップを感じてしまうようになります。

 

経験したことのある方はおわかりかと思いますが、実際に目標達成しても状況が劇的に変化することは稀です。


そのため、目標達成したら「なんか思ってたのと違う」「なんだこんなもんか」と拍子抜けしてしまうのです。


これは「目標達成したらいいことが起こる」というように心の中で目標達成に対する期待や理想が大きくなってしまったのが原因です。

過大評価への対処

目標達成後に燃え尽きてしまうのを防ぐためには、目標達成について過大評価しないことが大切です。「目標達成したらいいことが起こる」という幻想を持たないようにするのです。

 

確かに、目標達成できたことをきっかけに人生が好転することもあるでしょう。しかし、目標達成は幸福な人生を送る上での、あくまで一要素にしか過ぎません。

 

人生の良し悪しは目標を達成できたかどうかだけで決まることではないのです。幸福を構成する要素は他にも存在します。


したがって、「目標達成すれば人生がよくなる」というような、目標達成について過大評価するのをやめ、「目標達成したらよい人生に一歩近づくことができる」くらいの気持ちで挑んだほうがいいです。


この「一歩近づく」という考え方だと、達成した後の理想と現実のギャップにがっかりすることもありませんから。

 

ポイント
  • 目標達成はあくまでも幸せな人生の一要素、と考え過大評価しないようにしよう

 

「目標達成」への慣れ

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目標達成後の感情に慣れる→むなしさ、喪失感へ

目標達成後に虚無感を抱いてしまう原因はフォーカシング・イリュージョンだけではありません。「慣れ」も虚無感の原因として考えられます。

 

人間は大抵のことは慣れてしまうものです。

例えば職場。入社直後の時期はおそらく誰もが緊張して、目にするもの耳にするもの、いろいろなことが新鮮だったはずです。
しかし入社後数ヶ月も経つと、新鮮さを感じることは少なくなっていったのではないでしょうか?

 

これは「慣れ」によって入社当時の緊張感や新鮮さが薄れていったことが原因です。

 

目標達成後にむなしさを感じる人についても「慣れ」による効果が発生したと考えられます。

目標達成できたその時は幸福感が生じますが、慣れによって次第にその幸福感が薄れてしまい、その結果虚無感や喪失感を感じるようになるのです。

 

身近な例で言うと、買い物があてはまります。
ずっと欲しいと思っていて、高いお金を出して買ったものなのに数ヶ月経つともう使わなくなった、物置にしまいこんであるといった経験がないでしょうか?

これも「慣れ」によって、手に入れたときの満足感や幸福感が時間が経つうちに薄れていき、情熱が冷めた状態になったことが原因と言えます。

慣れへの対処

目標達成後の「慣れ」による虚無感を防ぐには幸せの感度を広げるという方法がおすすめです。幸せの感度を広げる、というのは手に入れたものに対する見方を少し変えてみる、という方法です。

 

具体的に言うと、

  • 目標達成できたことへのありがたさに目を向ける

というものです。


ありがたさに目を向けるためには「もしもできていなかったらどうなっていたか」と考えるのがおすすめです。「もしも目標達成できなかったらどんな困ったことになっていただろうか」と考えるのです。

 

この「困ったこと」はできれば「最悪の事態」を想像するのがいいでしょう。

想像する「達成できなかったら起こっていたかもしれない困ったこと」が最悪であればあるほど、今実際に目標達成できていることにありがたさを感じることができますから。

 

例えば食事を例にしましょう。
外食でフルコースを食べた後に更にお肉を持ってこられても満腹で食欲はなくなっているでしょうし、正直「もういいよ…」と思い、ありがたみを感じることはほとんど無いのではないでしょうか。もしかすると、味が薄いとか硬いとか細かいことに目が向いてしまうかもしれません。


一方で、もしもフルマラソンした後でお腹がペコペコだった場合はどうでしょう。きっと目の前のお肉を食べたくてたまらないはずです。


満腹の時はお肉にありがたみを感じない一方で、空腹の時はありがたみを感じるのです。同じ肉なのにお腹が満たされているか、そうでないかでありがたさを感じるかどうかに違いが生じています。


これは、手に入れたものに対する見方が違うからです。

ありがたさを感じるような見方ができれば、それを手にしている自分は幸せなんだと感じることができます。


「もしも手に入れることができていなかったら」「もしも目標達成できていなかったら」というのを最悪の形でシミュレーションすることによって、「自分は達成できているから、こんな最悪な事態にならずにすんだ」と幸福を感じることができるのです。


このような考え方だと目標達成後でも幸福感を持続させることができます。


達成して新たに手にしたものばかりに目を向けてしまうと「慣れ」によって幸福感が薄れていきますが、「達成できなかった最悪の場合」と比べる方法であれば「恵まれている自分」、「手にしたものへのありがたさ」を意識できるので幸福感が長続きします。


もしも目標達成後にむなしさを感じる、という人はこのように「達成できていなかったら最悪の事態になっていた」という想像をしてみてください。

 

ポイント
  • 目標達成できなかった最悪の事態と比べて、達成できていることへのありがたさを感じよう

 

まとめ

 

目標達成後にむなしさをや喪失感を感じてしまう理由とその対処について以上、述べました。内容をまとめると以下の通りです。

 

なぜ目標達成したら喪失感やむなしさが生じるのか?

  •  「目標達成後の現実」を過大評価してしまい、理想と現実とのギャップにがっかりするから

     

     目標達成後の幸福感や満足感に慣れてしまうから

 

目標達成後に虚しさを感じないようにするためには?

  •  目標達成で人生がよくなる、と期待しすぎない。あくまでも「幸せな人生の第一歩」だと考える

     

     目標達成できていなかった場合の最悪な事態を想像してみる。目標達成できている自分はその最悪な事態を免れることができた、と考える

目標を持つことはいい人生を送るためにもいいことです。

しかし、達成した後にむなしさを感じてしまうのではいい人生から遠ざかっているようなものです。


今回の記事で目標達成後に喪失感やむなしさが出てしまった人の気持ちをプラス方向に変えることができたなら幸いです。

 

この記事は以下の情報を参考にして執筆しました。
『Think clearly』
『こころの引き算』