家計簿苦手でも大丈夫!無駄使いしてしまう発達障害者さんへ。買う前のブレーキが大切です【3つに分類しよう】
- ・あればあるだけお金を衝動的に使ってしまう
・無駄使いしすぎて光熱費が支払えなくなったことがある
・節約できない
お金がなかなか貯まらない、そんな悩みを抱えたことはありませんか?
発達障害者の場合、人によって程度の差はあるようですが、金銭管理が苦手な人が多いようです。
今回の記事では、つい無駄使いをしてしまい貯金できない、そんな発達障害の人に向けて記事をお送りしたいと思います。
「目次」クリックで開閉します
無駄使いしてしまう発達障害の人にオススメの金銭管理方法
つい無駄使いでお金をたくさん使ってしまう…という発達障害の人に今回オススメしたいのが
- 買う前に「ほしいもの」を3つに分類する
という方法です。
この方法のオススメポイントは以下の通りです。
・家計簿に挫折した人にオススメ
・物欲が減るので出費が減って貯金できる
・モノへの執着がなくなり清々しく生きることができる
以下、続けていきます。
発達障害者は金銭管理が苦手?
発達障害者→ついお金を使いすぎてしまう
発達障害者の中には、あればあるだけお金を使ってしまう、つい無駄使いしてしまう…といった傾向を持つ人がいます。
ADHDの人の場合、衝動性があるので「欲しい!」と思ったらすぐに買ってしまいます。また、「新商品」「限定品」といった言葉を見ると思わず買ってしまうようです。
ASDの人の場合は想像力の不足という特性から、「この商品にこれだけのお金を使ったらどうなるのか」を想像することが苦手です。 その結果、日常生活では節約できることはあっても好きなものには大金を使ってしまい、銀行口座の残高が少なくなってしまった…ということもあるようです。
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かくいう私も発達障害診断済みなのですが、上記のような特性が原因でお金を無駄使いした経験があります。
好きなアニメのブルーレイが「期間限定生産」で販売されていたのを見て衝動的に「好きなものだからお金使ってもいいや!」と5万円で購入したのです。
実はこのアニメはDVDを既に持っていましたし、ネットでも数百円払えば配信を視聴することもできます。
しかし「限定」という言葉に衝動的に反応し、「好きなものだからといって5万円も払ってしまえば生活費に影響が出る」ということを想像できずに購入してしまったのです。
結果、その時に使った5万円の影響でクレジットカードの請求額が跳ね上がり、精神的に不安定になってしまいました。
しかも、これだけお金を払ったのに未だに開封すらしていません…
これはもう無駄使いですよね。
発達障害の方は多かれ少なかれ、このように衝動的に物を買ってしまった、あるいは「買えばどうなるのか」を上手く想像できずに大金を使ってしまった経験があるのではないでしょうか?
こうしてお金を無駄に使いすぎてしまうと、公共料金やクレジットカードが支払えないくらい預金口座の残高が減ってしまったり、貯金できない…といったことに繋がります。
発達障害者→家計簿をつけるのが苦手?
お金を使いすぎてしまう人のための対策として「家計簿をつける」という方法があります。
家計簿を使って収入と支出を記録していくことで何にどのくらいお金を使っているのか、目に見える形で把握することができます。 お金の流れを掴むことで無駄遣いを減らそう、というのが狙いです。
確かにお金の使い道がわかるといった点で家計簿は優れていますが、なかなか続けられない…という人は多いのではないでしょうか?
発達障害でない人でさえ、「面倒くさくなった」「3日坊主になってしまった」と家計簿を続けられずに悩んでいる人が多いようです。
発達障害者の場合、さらに障害の特性も加わって余計に家計簿をつけるのが苦手になってしまいます。
例えば、ADHDの人の場合は
- ・家計簿をつけることをうっかり忘れてしまう
・出費を見て、お金が自由に使えなくなるストレスを感じる
→家計簿をつけるモチベーションが下がってしまう
といった傾向があるようです。
一方、ASDの人の場合は
- ・家計簿のつけ方について細かいところを気にしてストレスを感じる(どのくらい項目を分けたらいいのか等)
・出費を見て自分が無駄遣いしているという現実を目の当たりにし、自分を責めて挫折してしまう
といった傾向があるようです。
このように家計簿をつけるのが苦手な発達障害さんの場合は使ったお金を無理に正確に把握しようとするのではなく、使うお金を制御したほうがよいのではないでしょうか。
使った後の管理よりも使う前の管理をしっかりすることで無駄な出費を減らし、お金を貯めていこうというわけです。
お金を使う前にブレーキをかけよう
物欲は持っていてもいい
家計簿など、使った後にお金を管理するのが苦手であれば使う前、つまり実際に物を買う前にブレーキをかける方法が無駄遣い防止のためには有効です。
では「あれが欲しい」「これを買いたい」といった物欲を持たないようにすればいいのか?というとそういうわけではありません。
いくら物欲を我慢しようと思っていても無理です。
現代は物がたくさん溢れ、さらに物欲を刺激するような情報が日々たくさん押し寄せています。このような社会では「欲しい」と思う気持ちが湧き上がるのはごく当然のことなので、無理に抑えるのは非常に困難です。
よって、物欲を持つことは全然悪いことではないのです。何かを欲しいという気持ちを持つ自分をいったん認めてあげましょう。
物欲を抑え込まずに認めた上でお金をどう使うかに気をつけることが大切です。
そこでオススメなのが冒頭で紹介した、
- 買う前に「ほしいもの」を3つに分類する
という方法です。
ほしいもの3分類法
これは、枡野俊明氏の著書『「ゆるす」という禅の生き方』にて紹介されていた方法です。
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ほしいものを次の3つに分類する。
①本当に必要なもの
②あったら便利だと思うもの
③憧れの対象であるもの
以下、詳細説明していきます。
①本当に必要なもの
先に結論を言うと、本当に必要なものであれば買っても問題ありません。
ただ、どういったものが「本当に必要なもの」なのかイマイチ想像できないのではないでしょうか?特に想像が苦手なASDの人にとってはどんなものが「本当に必要なもの」なのかよくわからないかと思います。
あえて言うなら、
- ・なければ生活に困るもの
・すぐに必要なもの
が「本当に必要なもの」といったところでしょうか。
このような「本当に必要なもの」であればお金を使っても大丈夫です。
ただし、少しでも多く貯金したいのであれば
- ・同じような商品で少し安い店があればそちらで買う
・必要だからといって買いすぎないようにする
ことに注意してください。
実際、同じ商品なのにお店によって値段が何十円か違うことはよくあります。
例えばお菓子。駅ナカのスーパーだと120円だったものが駅から徒歩5分の薬局では70円で売ってある、なんてことがあります。
また、買う量にも要注意です。
いくら必要だからといってすぐに使わないものを大量に買い込んでしまえばお金を使うばかりか収納スペースを余計に使ってしまうことになるからです。
「買うのは来月でもいいかな」と思ったら「必要だから、安いから」といってすぐに買わず来月にまた買うようにしましょう。買うのは現時点で必要な量だけに留めるように。
②あったら便利だと思うもの
「あったら便利だと思うもの」は言い換えると「なくても生活には困らないもの」ということになります。
もしも買いたいモノが、この「あったら便利だと思うもの」だった場合、「あったら便利」というよりも「なくても困らないものではないのか」ということをまずじっくり考えましょう。
特にASDの人で先の見通しを立てるのが苦手な人の場合、なんとなく今後役に立つかも、持っていれば便利かもといったあやふやな考えでモノを買ってしまうことがあります。
このような人は、
あれば便利かも
ではなく
本当に必要?
無くても別に困らないんじゃないの?
と、買う前に一度自問自答してみることです。
- なくてもやっていける、それでもあったほうがいい。持っていれば暮らしが充実する
と、よく考えた上で「あったら便利」以外に良い効果がある、という結論に至ったのであれば購入してもいいでしょう。
衝動的に、あるいはよく考えずに買った場合とは違い、じっくりよく考えた上で買ったモノであれば、実際に使ったのはほんの少しの間だけであとは収納スペース行き…なんてことにはならないはずです。 じっくり考えることで「使わないのになんとなく買ってしまった」ということを減らせます。
③憧れの対象であるもの
これは、特に必要でもないし、あれば便利というわけでもないけど他の人が持っているのを見てほしくなった、もしくは広告やCMを見て欲しくなったというものが当てはまります。
例えば
-
・TVや雑誌あるいはyoutubeでモデルさんが洋服を着ているのを見て憧れ、自分も欲しくなった
・周りで挑戦している人が多いからという理由だけで大して興味のない、仕事に活かすこともできない資格の教材を買い込む
・スイーツ紹介アカウントを見てそれまで別に食べたいわけじゃなかったのにパンケーキを食べにカフェに行く
などです。
元々は必要とも欲しいとも思っていなかったのに、他人や広告などの自分以外の外部から影響を受けて物欲を刺激されたというものです。
このようなモノを欲しくなった時は買う前に使う機会があるのかを考えてみてください。
特にADHDの人で衝動性が高い人は要注意です。
意図せず物欲を刺激されてしまい、使わないのについ衝動的に買ってしまったと後悔することになります。
趣味のものや好みのものを買うのが悪いというわけではありません。 ただ、「欲しい」「買いたい」と思った気持ちが本当に自分のものなのか、誰かが持っているのを見てただ羨ましく思っただけではないのか?を買う前に考えてみてください
(補足)分類だけでなくリストを作る
分類するだけでなく、買い物に行く前にリストを作るのもおすすめです。
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・トイレットペーパー:必要なもの
・キッチンばさみ:あったら便利だと思うもの
・マニキュア:憧れているもの
というように買いたいと思っているものと、3つの分類のうちどれに当てはまるのかリスト化するのです。
このようにリストを作っておけば買い物に行ってレジに行く前に本当に買うべきものだったのかを見直すことができます。
買い物に出かける前は「あったら便利だと思うもの」として「今は特に買う必要はない」と結論づけたのに、実際にお店に行くと売り場の宣伝に影響されて「必要なもの/買わなければいけないもの」だと錯覚してしまうこともあります。
リストという目に見える形で残しておけば、売り場の宣伝にも影響されず、自分にとって買うべきなのかどうか間違えることはないでしょう。
ほしいもの3分類法のメリット
ここまでほしいものを3つに分類する方法を紹介しました。
この方法は家計簿のようの買った後のことを管理するのではなく、買う前に自分の購入意欲にブレーキをかけ、無駄な出費を減らそうというものなので面倒な家計簿記録は必要ありません。
また、買う前に物欲を減らすことができるのでもちろんお金の無駄使いも減らすことができます。
物欲を減らすことができれば、モノへの執着も手放すようになります。そうすると、不必要なものを買わなくなり、部屋がモノで溢れなくなり、空間に余裕ができます。すると部屋を片づけしやすくなり、気分が清々しくなってきます。
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・物欲を減らして出費を減らせる
・面倒な家計簿をつける必要はない
・不要なモノを買わなくなり清々しくなれる
といった点で3分類法はオススメです
まとめ
【無駄使いしてしまう発達障害さんにオススメの方法】
- 買う前に「ほしいもの」を3つに分類する
↓
【詳細】
ほしいものを次の3つに分類する。
- ①本当に必要なもの
②あったら便利だと思うもの
③憧れの対象であるもの
【メリット】
- ・物欲を減らして出費を減らせる
・面倒な家計簿をつける必要はない
・不要なモノを買わなくなり清々しくなれる
今回の記事でいつも無駄使いしてしまってお金が貯まらず悩んでいる…という発達障害者さんに何らかの良い影響があれば幸いです。
この記事は以下の情報を参考にして執筆しました。
『発達障害の人が上手に暮らすための本』
『「ゆるす」という禅の生き方』