「発達障害だからって言い訳するな」は自分を苦しめます。【思考を変えましょう。数秒でできます】
「言い訳するな」という考えを持っていると自分にとって損です。
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先日、ある有名人の方が税金を申告漏れしていたことについて「ADHDではないか?」という声がいくつかネットで上がっていました。
その方が本当にADHDであるかどうかは別として、私の身近な人の意見は次のように2種類に分かれていました。
「仕方がない」「言い訳するな」というように意見が真っ二つに分かれています。
人それぞれの事情や障害の重さなど関係してくるので、どちらが正しいのかはここでははっきりとは言えません。
しかし、「言い訳するな」という考えを持っていると自分にとって損になることは確実に言えます。
「言い訳するな」は自分を苦しめます
自分は工夫して努力しているのに
「発達障害だから仕方がない」と
言っている人を見ると「言い訳するな」
と思ってイライラしてしまいます…
「発達障害であっても、障害を言い訳に使ってはならない」という考えを持っていると自分を苦しめることになります。
特に、日々工夫をして頑張っている発達障害の人にとっては、何の努力もしようとせずに、すぐに「発達障害だから仕方がない」という人を見ると不快感や怒りの感情が生じてしまうようです。この不快感や怒りといったネガティブな感情は自分を苦しめてしまいます。
確かに、「発達障害だからといって言い訳をしない/甘えない」という考えを持つことは間違ってはいません。この考えを無理に変える必要もありません。
ただ、「言い訳するな」「甘えるな」といった考えは、根底に
- 「努力すべきだ」
- 「言い訳するべきじゃない」
- 「甘えるべきじゃない」
といった「すべき/すべきでない」思考があります。
こういった「~すべき」思考はイライラや怒り、恨みを生み出してしまいます。
「言い訳するな」という思考を持つということは、障害で本人にどうすることもできないのに努力を強要するようで不親切でよくない、という面もありますが、それ以上に「言い訳するな」思考によって怒りなどのネガティブな感情が引き起こされるので自分にとってもよくないことになります。
だから、自分のためにも、「言い訳するな」思考を変えたほうが望ましいのです。
今回は「障害を言い訳するな」と思ってしまう人に対して、考えをこんな風に変えたほうがいいですよってことをお伝えしたいと思います。
考え方を「~したほうがいい」「~しないほうがいい」「~が望ましい」に変換させよう!
発達障害を言い訳にやるべきことをやろうとしない人に対して「言い訳するな」と思う人は「すべき思考(すべきじゃない思考)」にハマってしまっている状態です。
このすべき思考はイライラに繋がるので変えることをおすすめします。
では、どのように変えるのかというと、次のとおりです。
「~したほうがいい」「~しないほうがいい」「~が望ましい」を使った考え方をする
これを、発達障害を言い訳にする人を見るとイライラしてしまうあなたに当てはめると…
- 「発達障害だからって言い訳するな」
→「発達障害であっても言い訳しないほうがいい」 - 「発達障害でも少しは努力すべきでしょ」
→「発達障害は少しでいいから何か努力するほうがいい」
- 「障害を言い訳にして甘えるな」
→「発達障害を言い訳に甘えないほうがいい」
というようになります。
「すべき」より「したほうがいい」のほうがオススメ!
発達障害の言い訳という話題に限らず、仕事や生活のあらゆる面で「したほうがいい/しないほうがいい思考」は良い効果があります。
例えば、待ち合わせ場所に友人が時間ギリギリにやってきたとき。
「常識的に考えて待ち合わせ場所には余裕もって10分早く来るのが普通でしょう」と思ってしまう人は「すべき思考」にとらわれています。
「すべきって言葉は使ってないじゃん」とお考えになるかもしれませんが、「普通は」や「常識的に考えて」「一般的には」というように考えてしまうクセがある人は実際に心のなかで「すべき」という言葉を使っていなくても実質的に「すべき思考と同じ考え方をしているようなものです。
根底に「常識や「普通」「一般論」に従うべき」という考えがあるからです。
このような思考をして、相手にイライラする人の場合は「したほうがいい」思考に変換させてみましょう。
考え方がいい方向に変わります
【例】待ち合わせ場所に友人が時間ギリギリに来た場合
- 『あ!やっと来た!こっちは遅刻しないように10分以上早く来たのに。普通は余裕を持って早めに来るべきでしょ。…じゃなくて、待ち合わせのときは10分以上早めに来る方がいい。でも、ギリギリとはいえ、ちゃんと時間どおりに来てくれた。間に合ったんだからいいんじゃない?大事なのは時間より前に来てもらうことじゃなくて、待ち合わせに来てくれること。来てくれるだけでもありがたい、嬉しい。きっと渋滞とか何か事情があったのかもしれない。』
少々恥ずかしいのですが、以上は私の実体験です。
最初はいつものように「すべき思考」に陥ってしまいそうだったのですが、慌てて「したほうがいい」思考に変換させました。
すると、例にもある通り、相手に本当に望んでいることは「来た時間」ではなく「来た、という事実」であることに気がつくことができました。
また、「したほうがいい」思考によって、相手が来てくれたことへの感謝の気持ちや時間ギリギリになったことに対する気遣いの気持ちまで生じています。
この感謝や気遣いを実際に相手に伝えてみたら、きっとあなたのことを「いい人だ」と相手は思ってくれるでしょう。
このように「したほうがいい」思考はあなたの考えの視野を広くしたり、ポジティブな感情を呼び起こしてくれます。
一方、すべき思考に頭の中を支配されていると、自分の理想どおりに行動しない相手に対してイライラしたり怒りを感じてしまいます。こういったネガティブな感情を持つことはストレスのきっかけになります。
もし、そのイライラや怒りを相手にぶつけてしまったら事態が悪化するかもしれません。
というのも、イライラしながら注意や批判をしてしまうと、言われた相手にとっても良い気はしないからです。
注意してくれてありがとう!と素直に受け取ってくれる人も世の中にはいますが、希少な存在でしょう。おそらく大半の人はイライラをぶつけられたら嫌な気持ちになります。すると、自分と相手との間で険悪なムードが生まれてしまうかもしれません。
このように、
イライラや怒りでストレスのもとになる、言われた相手にとって良い気がしない
という点で「すべき思考」はデメリットがあるのです。
だから、「すべき思考」よりも「したほうがいい」思考のほうが良いのです。
怒りはあなたをずっと苦しめる
慣れないうちは少し手間取ってしまうかもしれませんが、考え方を「すべき思考」から「したほうがいい」思考に変換させるのは数秒で済みます。
一方で、「すべき思考」を持っていると人によっては1日あるいは何年もイライラや怒りにとらわれ続ける場合があります。
たった数秒を使って、考え方を「するほうがいい思考」に変える人、
「すべき思考」で生まれた怒りやイライラに縛られていつまでも苦しむ人。
あなたはどちらを選びたいですか?
まとめ
- 「発達障害を言い訳にして甘えるな」と考える人は「すべき思考」にとらわれている
→思考を「したほうがいい/しないほうがいい」思考に変換させる
記事内で書いたように「すべき思考」で物事を見てしまうとイライラや怒りを生じるので自分のためになりません。
発達障害を言い訳にするかどうかは賛否両論ありますが、正しい/間違っているはともかく、「言い訳するな」という考えは自分を苦しめることに繋がります。
自分を楽にするためにも「言い訳しないほうがいい」というように考えを変換させてみてはいかがでしょうか?