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人前で話した時に反応が薄いとショック!という人へ。まずやってほしいこと

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朝礼でのスピーチ、会議での意見発表など、会社で働いていると人前で発言する機会があります。

皆さんが発言している時、周りの人の反応はいかがでしょうか?

真面目に聞いてくれる人もいれば、

  • ・ずっと下を向いている
    ・こちらを全然見ない
    ・居眠りしている 

…といったリアクションをしている人はいないでしょうか?

このように反応が薄い場合、「ちゃんと話を聞いてくれてるんだろうか」「自分の話ってそんなに退屈なのかな」と不安に思ったり苛ついてしまったり自信喪失してしまうことってありませんか?

 

今回は人前で発言した時に反応が薄いことを気にしてしまう!という人向けに記事をお送りします。

 

 

具体的な内容に入る前に今回の記事での推しポイントを紹介しておきます。

 

ここが推し!

・いろんなシチュエーションで応用できる
・無駄な努力をしなくて済む
発達障害の人に特有の認知の偏りを踏まえて対策を紹介

 

「目次」クリックで開閉します

 

 

改善策より前に原因を考えよう

 

何か行動した結果、嫌な目に合った場合、改善策を実行するよりも先にいったん原因について考えてみましょう。

全部が全部、自分のせい、なんてことはありません。逆もまたしかりです。

原因について考えなければ、自分には何の落ち度もなく、相手が原因で嫌な思いをしているのに気づかず、無意味な行動改善をやってしまうことだってありえるのです。

逆に言うと、相手が原因だとわかっていれば無駄な努力をしなくて済む、というわけです。

 

なお、この「改善策に取りかかる前に自分と相手、どちらに原因があるのか考えてみる」といった方法は人前で話すといったシチュエーション以外にも使えます。

使えそうだなと思ったら他のシチュエーションでも応用してみてくださいね。

 

嫌なことの原因→自分が原因の時もあれば相手が原因の時もある

何か行動して嫌な思いをした場合、その原因が自分にある時もあれば、相手のほうにある時もあります。ケースバイケースです。


例えば挨拶をしたのに無視されたという状況で考えると、
離れている人にささやくような大きさの声で挨拶をした場合には自分に原因がある、ということになります。
一方で、ちゃんとした声の大きさで挨拶した。他の人も反応してくれている。でも近くにいたのに、特定の人だけに無視される…といった場合には相手に問題があるといっていいでしょう。

もしかしたら嫉妬や理不尽な理由であなたを嫌ったり、嫌な思いをさせたいという考えでわざと無視しているかもしれません。
この場合、「挨拶したのに嫌な思いをした」ことの原因は相手にあります。

 

他人のせいにするのはよくない、自分のおこないを振り返るべきだと考えるかもしれません。

確かになんでもかんでも人のせいにして自分は悪くない!と声高に主張するのは周りに良い印象を与えません。


しかし、反対になんでもかんでも自分が悪いと考えてしまうことも良くないのです。

 

発達障害の人→自分のせいにしがち


発達障害の人の中には、認知の偏りがあるので嫌な思いをしても自分に至らないところがあったのでは、と結論づけてしまいがちな人もいます。


発達障害の人がやってしまう認知の偏りの一つに、「自己非難」があります。これは、悪いことが起こった場合、その原因を必要以上に自分に関連づけて、自分が悪かったんだ、自分のせいなんだ、と責める思考です。

 

このような思考を持っていると、実際には自分には何の落ち度もないことなのに、相手は悪くない、悪いのは全部自分なんだと必要以上に自分を責めてしまいます。まったく悪くないことで自分を責めると、生きづらいです。


世の中には八つ当たりストレス発散のためにそこまで問題ではない、大したことのないものに攻撃する人もいます。
そのような理不尽な人たちに嫌な思いをさせられるたびに「自分が悪かった」と責めてしまうと心が苦しくなって生きづらくなってしまうのではないでしょうか。

 

ポイント

嫌なことがあったら、まず自分が悪いのか相手に原因があるのかを考える
※真っ先に「相手が悪い」「自分が悪い」と決めつけてしまわないように。

 

自分と相手、どちらが原因か調べるには

調べる方法としてオススメは、

  • 状況が少し違う場でこれまでと同じやり方で、人前で話す経験を何回かやってみる

です。

例えば、

  • ・違うメンバーの前で発言する機会を用意する
    ・前回とは違う時間帯で発言する機会を用意する 

などです。

以前、人前で発言したときに反応が薄かった、という場合でも違うメンバーの前で発言したらちゃんとこっちを見てくれた、相槌をうってくれた等、いい反応をしてくれたなんてことがあります。
聞き手が変わったときに良い反応をしてくれたということは、あなたの話し方には問題はないということになります。

 

また、時間帯を変えて発言したら以前よりいい反応をもらえるなんてこともあります。
例えば、前回昼休み直後に開いた会議で反応が薄かったけど、朝の早い時間に会議をしたら良い反応をしてくれたという場合、あなたの話し方に問題があったのではなく、聞くほうが食事直後で眠気があり、ちゃんとした反応ができなかったのかもしれません。
この場合、わざとではないにせよ、相手に原因があります。

 

自分のやり方はそのままで、状況を変えた場合に良い反応があれば原因は自分ではなく、相手のほうにあるかもしれないというわけです。

 

発達障害の人→一度の経験を当てはめがち

 

発達障害の人の中には「過度の一般化」をしてしまう人もいます。
これは認知の偏りの一つで、この思考を持っていると一度悪いことが起きるとその一度の経験だけで結論を下してしまいがちになります。


一度うまく行かないことがあっただけで、「自分はだめだ」「自分が悪いんだ」と決めつけがちになる人もいれば、相手が悪いと決めつけてしまう人もいます。


失敗を糧に今後のことについて注意するのは確かに良いことです。
しかし、世の中には「たまたま」「運悪く」失敗したり上手く行かないこともあるものです。
たまたま運がよくなかっただけで、自分のせいで失敗したと決めつけたり相手のせいにするのは少々早とちりかもしれません。

 

したがって、一度のことだけで原因を自分と相手、どちらにあるのか結論を下すのではなく、いくつか場数を踏んでから判断したほうがおすすめです。

 

ポイント

一度の失敗だけで原因を決めつけないようにしよう

 

人前で発言するのにオススメの場

 

とはいえ、職場での会議なんてそう何度も開催されるものではありません。


そこでおすすめなのが、休日に読書会や哲学カフェに参加して発言する、という方法です。職場ではない場なのでいつもと違ったメンバー相手に発言ができます。

 

特におすすめは哲学カフェですね。
私が参加した哲学カフェは、発言した人の人格を否定しない、話を遮らないといったことをコンセプトにしていたので職場での会議に比べて発言しやすかったです。
このように発言しやすいコンセプトの読書会や哲学カフェを選べば、楽な気持ちで人前で話す経験ができるのでおすすめです。

 

ポイント

職場以外で人前で発言するなら読書会や哲学カフェに参加してみよう

 

原因がわかったら

人前で話した時に相手の反応がいまいちだった場合、自分が原因の場合もあれば相手が原因の場合もあります。どちらが原因なのかによって対応策は変わってきます。

 

相手が原因の場合

 

何度か人前で発言する体験をしてみて、自分の話し方には問題がなさそうだという場合、次のように考えることをオススメします。

  • 相手の態度はこのままでいい、と考える

 

老子の言葉に「足るを知る者は富む」というものがあります。
これは、「人間の欲望にはキリがないけれど、今の自分に与えられたものに満足できる人は心が豊かである」という意味です。 

人前での発言に当てはめてみると、

  • 「相手の反応が薄くて、自分の理想ではなかったけどそれで充分だ」と満足する 

ということになります。ほどほどのところで満足しよう、というわけです。

 

ここで、相手の態度が明らかに理不尽ですごく嫌な場合をしても「このままでいい」と考えていいのか、態度を改めるように注意したり一度爆発したほうが相手のためにもなるんじゃないか?…と考えた方もいるかもしれません。


確かに何をされてもじっと耐えるというのは辛いものがあります。

しかしそれでもやはり、態度を改めるように相手に言ってもあまり効果がないと思います。


理由は次の2つです。

  • ①他人の意識や態度を改めさせることは難しいから
    ②人間関係にヒビが入る可能性があるから  

人の意識や行動は無理に変えられるものでもありません。また、指摘することで相手が反発したり気分を害してしまうこともあります。


「嫌な態度を取られたとき、我慢できずに一度爆発してみましょう、そうすればどの程度なら言い過ぎにならないか知ることができます」…といった意見もあります。


態度を改めるように指摘してきちんと聞き入れてくれる相手なら指摘してもよいのですが、そこまで仲が良くなかったり、自分に悪いところはないと思い込んでいる人が相手の場合、指摘することでその後の人間関係が険悪になる可能性があります。
そもそも、こちらの指摘を素直に受け入れてくれるような人なら人の話をちゃんとした態度で聞くはずです。


すごく嫌な思いをしたとしても、話を聞く態度に明らかに問題ありな相手には改善させることは難しい、今後の人間関係に悪影響が出るといった理由から指摘しても効果なし、指摘すると状況悪化すると考えたほうがいいでしょう。

 

自分が原因の場合

 

さて、人前で発言する経験を複数こなした上で、どの場でも反応が薄くて不安になったのであれば残念ですがあなた自身の話し方に何らかの問題があるのかもしれません。


この場合、自分のやり方に固執せずにどこか見直すところはないか振り返ってみたほうがいいでしょう。

 

改善策としては他の人のやり方を参考にするのがオススメです。 


直すべき箇所がわかっていれば、いいお手本として取り入れることができます。
もし、自分の悪いところがわからない場合は他の人のやり方と比べてみて自分とは違うなと思ったところはとりあえず取り入れてみましょう。

ただし、できれば上手く行っている人を参考にするのがいいです。
自分と同じく、発言している時に真剣に話を聞いてもらえてない人をお手本にしてもあまり改善には繋がらないからです。

 

ポイント

【人前で発言した時に反応が薄かったら】
自分が原因の場合→うまく行っている人を参考にしてやり方を変えてみる

 

 

まとめ

 

人前で発言した時に相手の反応が薄く不安に思ったり自信喪失した場合

  • 対策:反応が薄いのは自分に問題があるのか、相手に問題があるのかをまず確認する

 

確認するためには状況を変えて複数の場で「人前で発言する」という経験をする。

  • ・相手が原因→無理に相手を変えようとせず、「相手はこのままでいい」と考える
    ・自分が原因→他人のやり方を参考にして改善する

 

以上をお送りしました。他人の反応を気にしてモヤモヤを抱えてしまうよりも、自分と相手、どちらに原因があるか知ることができれば余計なストレスを抱えず、前進できます。今回紹介した内容、使えそうだと思ったらぜひ実行してみてください