TSUTAのブログ

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「いつも自分ばかりが損をしている」と思いがちなあなたへ【対応策2つ】

 

今回は「自分ばかり損な目にあっている」と思いがちな人に向けた内容になります。

 

 

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本記事の内容


・被害者意識とは
・被害者意識を持つとどうなるのか
・「自分ばかり」と思ってしまったら(対応策2つ)
・まとめ

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被害者意識とは

「自分ばかりが損な目にあっている」

このように考えてしまっている場合、被害者意識に支配されている可能性があります。


被害者意識について大まかに説明すると、

自分の行動や自分が招いた苦境に対して責任を認めない、自分が相手を傷つけているのに逆に被害者は自分だと主張するような考え方

を言います。


被害者意識を持っている人は自分の非を認めるどころか、
「不幸な環境で育ったから」「過去に不当な扱いを受けたから」と主張する傾向があります。

 

確かに、何の落ち度もない人が不当に扱われることはあってはいけないことです。

 

しかし、自分が招いた行動によって不利益を受けたときに、真っ先に誰かのせいにして自分には何も悪いところはないと言い切っていいものでしょうか?

 

被害者意識の例

例えば、ある国の話をしましょう。


その国では近年、喫煙者が癌にかかったのはタバコ会社のせいだと訴えるケースがあったそうです。

煙草の箱には喫煙が健康に害を及ぼすおそれがあることは印刷されていましたが、喫煙が発がんと関連があることを公表しなかったのはタバコ会社の落ち度だといって訴えたそうです。

 

これっておかしくないでしょうか。

 

箱に書いてあるのだから、喫煙が健康に及ぼす危険性は知っていたはずです
それなのに悪いのは自分ではなく、他人である煙草会社だと非難するのです。


このように自分の行いは棚にあげて誰かのせいにしていいものでしょうか?

 

この喫煙者のケースほどではありませんが、日常生活にしろ、ネットにしろ自分のことは顧みずに他人のせいにするような不平不満をしょっちゅう目にするようになりました。

 

読書をせずにスマホでゲームをする人の意見として「読みたくてもお金がないから本が読めない。だからゲームをしている。私たちにお金がないのは政治が悪い」

というものを目にしました。

確かにお金を何に使うのかは人それぞれ自由です。しかしお金がなくても図書館に行けば無料でいくらでも本は読めます。

自分がゲームをするという選択をしたのにお金が無いから、と言い訳し、さらにはお金がない理由を自分ではなく政治のせいだと責任転嫁しています。

 

被害者意識に支配されている人は、受けた精神的苦痛ばかりを考えて自分たちの不満や愚痴は正当なものだ、腹が立つのは当然だ、自分たちは苦しんでいるのだから誰かに償わせるべきだと考える傾向があります。

人のせいにして嘆いたところで現状が変わるわけではありません。

自分の考え方を変えるか、もしくは何か行動して現状を変えるほうが他人に何かしてもらうよりも簡単で確実性があります。また、自分の成長にも繋がります。

 

 

被害者意識を持つとどうなるのか

自己達成予言

心理学の一つとして自己達成予言というものがあります。

これを「自分ばかりが損をしている」という人に当てはめると、

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どうせ他の人はやってくれない。自分ばかりが損をする

と考えることでそれが現実になってしまう、というものです。

 

例えば、職場でいつも自分だけが来客応対をする羽目になっている、損しているAさん、という場合を想定してみましょう。

 

Aさん「職場で来客応対をいつも自分ばかりしている。他の人はやってくれない」と考える

お客様を待たせるわけにはいかない、どうせ他の人は自主的に動こうとしないのだから自分がやらなければ、と結局来客応対する

他の人はAさんがいつも対応しているのを見て
「来客応対はAさん専門の仕事なんだ」と考える、もしくは
「今までやったことがないからやり方がわからない。慣れているAさんにやってもらったほうがいいだろう」といって動かない

結果的に予言どおりにAさんばかりが来客応対をしなければいけない…

という状況になってしまうわけです。

 

 このように「いつも自分ばかり」といった被害者的な考えを持っていると実際にその考えどおりに現実が再現されてしまう可能性があるのです。

 

何をやっても無駄だと考えるようになる

自己達成予言以外にも、被害者意識を持ってしまうと、

・他人に対して嫉妬したり自分だけが犠牲になっているのだと思い込む

・自分は何のとりえもなく、努力したところで報われないと考える

・他人から助言を受けても受け入れようとしない

という考えや行動をとってしまうようになります。

 

「自分ばかり損している」というような感情を持ち続けていると、いつか恨みや不安の感情を抱くことになってしまいます。このようなネガティブな感情を持ち続けていれば、やがて被害者意識が強くなり、精神的なエネルギーがどんどん消耗されていきます。

 

さらに、先ほど紹介したように被害者意識には「自分ではどうすることもできない」という考えがあるので、建設的な考えができなくなったり他人から助言を聞いても「どうせ変わらない」と思い受け入れる気がなくなってしまうのです。

 

「自分ばかり」と思ってしまったら(対応策)

「自分ばかり」という被害者意識があると、

・自分が考えたような不公平な結果が現実にもたらされる
・ネガティブな感情で精神的なエネルギーを消耗していく
・何をやっても無駄だと思うようになる

という結果に繋がることを先ほど紹介しました。

 

このような事態からさらに自分にとって不幸な状態を引き起こさないためにも対応策が必要です。

今回は2つ方法を紹介します。

①自分の行動を見直す
②具体的な計画を立てる

 

①自分の行動を見直す

 被害者意識に自分が陥っているかも、という人にまずやってほしいのが

普段「自分ばかり」と思いながらやっている行動で間違ったコミュニケーションのものはないか見直す

 ことです。

 

例えば、来客応対の例でいえば、Aさんは

お客様を待たせるわけにはいかない、どうせ他の人は自主的に動こうとしないのだから自分がやらなければ、と結局来客応対する

 という行動をとっていますが、果たしてこの行動は正しかったのでしょうか。

 

普段から「自分ばかり」と不満を持っているのなら他の人に頼む、といった方法をとってもよかったはずです。

 

慣れていない人に任せるのが不安というのであれば、仕事が比較的落ち着いている時期に空いた時間を見計らって誰かに来客応対の方法を教える、といったことをやってみてもよかったかもしれません。

 

しかし、Aさんは誰かに頼るような行動をせずに自分ひとりで判断し、いつもと同じく自分だけで動くことを選びました。

 

「自分ばかり」と不満があるのなら誰かに頼むほうが正しいコミュニケーションではないでしょうか。 

 

なお、「自分ばかり」と思っているときは思考だけでなく言動も攻撃的になりがちです。

そのため「たまにはやって!」といった強い口調ではなく、

 

「いつも来客応対していると、仕事が滞るから困ってる。よかったら来客応対やってもらえないか」

 

というように自分が困っていること、どういう理由で困っているのか、あなたにもやってほしい(手伝ってほしい)ということを柔らかい態度で頼むように注意しましょう。

 

強い口調で言うと、相手も不快になったり、喧嘩や言い争いに発展する可能性もあるからです。

 

②具体的な計画を立てる

自分は被害者意識に陥っていることに気がついたら、何をやってもどうせ無駄だ、と諦めてしまうのではなく不満を解決するために具体的に計画を立ててみましょう。

具体的な計画の立てる際のポイントは

いつどうするか、まで考慮した目標を立てることです。


具体的な計画のために必要なことは「目標」です。
ただし、ただ目標を立てるのではなく、いつどうするかというところまで考えましょう。

例えば、

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今の職場で自分ばかり不公平な目にあっている。
だから転職しよう

といった場合は

半年後の◯月◯日には次の職場で働く。
そのために3ヶ月後の✕月✕日までに5社に応募。
半年後、退職できるように今からでも引き継ぎ資料を作っておこう。
今月中に5件分の引き継ぎ資料を作ろう

というように具体的な日時を絡めて計画を立ててください。

理由は締め切りがあることでモチベーションを保つことができるからです。



逆にこれといって締め切りを決めなかった場合、「まあそのうち始めればいいだろう」「今じゃなくていいだろう」と言った思考になって
結局変わるための努力は特に何もせず、ただ時間だけが過ぎてしまった、
ということになりかねません。


なお、具体的に計画を考える場合は頭の中だけでなく紙に書くほうが効果的です。

 

被害者意識の状態で頭の中だけで考えようとするとつい自然と否定的な感情のほうへ意識を向けてしまったり、計画がうまくまとまらなくなります。

しかし、紙に書くことで目に見える形で具体的な計画の内容を認識できるので、自分の感情よりも計画のほうへ意識を向けることが可能になります。

 

さらに、紙に書いてしまえば頭の中に記憶として留めておく必要がなくなります。忘れてしまった時は紙を見ればいいのですから。すると、脳の記憶領域に「空き」を作ることができるのです。

 

こういった点から被害者意識を抱いた場合、対応策を具体的に紙で書くという方法がおすすめなのです。

 

 

ここで注意していただきたいのが、発達障害の人は計画を立ててもうまく行かない場合があるということです。

 

例えばADHDの人は、今、目の前にあることについつい気を取られてしまう傾向があるので、予定していた時間が来るとアラームを鳴らすように設定するなどの工夫をしてみたください。アラームを設定することで目の前のことに気を取られて予定を忘れてしまうということがなくなります。

 

また、意欲にムラがあるという特性もあります。

例えば、問い合わせの電話をするのは好きだけど書類を書くのはやる気が出ないというように対処する物事によって意欲、つまりやる気にムラができてしまいます。

どうしてもやる気がでないから、といって先延ばしにしがちな面もあります。

 

対応策としては自分にとってやる気のでない予定を済ませたら何か自分にご褒美を与えるか、もしくは予定を先延ばしにしたら同僚にコーヒー1杯おごる、など自分への罰を設定しておくといった方法を設定しておくとよいでしょう。

 

 

いっぽう、アスペルガーの人の場合、時間の見積もりに対して間違った自己判断をしてしまい、結局計画を立てても失敗する、なんてことがあります。

 

例えば、旅行の日程を考える際に、どう考えても4日はかかるのに自己流の解釈で2日間しか時間を見積もらなかった、そのため、実際の旅行では時間が足りずに計画どおりに過ごすことができなかった…という事態になってしまいます。

 

このようにアスペルガーさんは時間の見積もり方について無理のある判断を下してしまう恐れがあるので、被害者意識を解決するための計画を立てるときは余裕をもったスケジュールを組むか、専門家などの周りにいる誰かに相談したほうがよいでしょう。

 

少しずつ変えていこう

行動を見直しても、具体的に計画を考えようとしてもやはり無理だ、現状を変えることはできない、というのであれば今の状態でよりよく日々を過ごすためにはどうすればいいか考えてみてください。

劇的に変えるのは難しくても少しずつ 少しずついい方向へ向かうよう進むことは可能です。

 

例えば、給与面で不満があるけれど転職もできないし、賃上げ交渉も断られたという場合、転職や昇給のために今からでもできることは無いか、を考えてみましょう。

ただし、被害者意識に陥っている場合思い込みがあったり、間違った期待をしている状態なので転職にしろ、昇給にしろ、対応策は医師やカウンセラーなどの専門家に相談したほうがいいかと思います。

専門家に相談することで自分の間違った思考のクセを修正し、誤った道へ進むことがなくなるからです。

まとめ

「自分ばかり損している」という考えは被害者意識に陥っている

 

【対応策】

①自分の行動を見直す
 正しいコミュニケーションは取れているか?

②具体的な計画を立てる
 ・「いつまでに何をどうするか」
 ・計画は紙に書く
 ・ADHD→予定の時間にアラームをセット/自分にご褒美もしくは罰
 ・アスペルガー→時間の見積もりに無理が無いか他人に見てもらう

以上、対応策として2つ紹介しました。

不公平なことに愚痴を言い続けるよりも変わるために少しでもいいので何か行動してみてください。頑張ればきっといい方向に未来は向かうはずです!

ここまで読んでいただきありがとうございました。